ドラえもんの世界では時間がテーマとなっており、過去や未来を旅したり、現代での行動がそれらの世界に影響を与えるなどパラレルワールドの展開がファンを引き付けています。その象徴的な存在であるひみつ道具のタイムふろしきは、時間を自由自在に操ることができます。
タイムふろしきを上からかけるだけで壊れたものを壊れる前の状態に戻したり、古くなったものを新品によみがえらせることも可能です。のび太は野球があまり上手ではなく、ボールを取り損ねて近所の家の窓ガラスが割れてしまうことがありましたが、そんな時に上からかけて瞬時に割れる前に戻すことがありました。
そんな便利なひみつ道具は人間にも使用することができ、子供を赤ちゃんにしたり、子供を大人にすることも可能です。
あるエピソードでは宿題をさぼりたかった時にノートにタイムふろしきをかけたところ何も変化はせず、なぜなのかを探って行くと、いずれにしてもさぼって宿題をやらないことが発覚して結局徹夜をして宿題に取り組むというシーンもありました。
簡単に時間を操れるのは便利である一方で、日頃からの努力の積み重ねが必要だったり、実体験も大切であることを教えてくれることからファンの間でも人気のエピソードのひとつです。誰もが一度は手にしてみたいと思うひみつ道具で、幾度と無くピンチを切り抜けることを夢見ています。
用途に応じて使い分けができる
元々雑誌の連載やコミック作品だったドラえもんでは、モノクロで描かれていることからタイムふろしきの表と裏はトーンを貼り付けた黒っぽい面と白の面で表現されていましたが、テレビアニメ版ではカラーで描かれていることから表と裏が明確になりました。
表面は赤色、裏面は青色で、それぞれ時計のマークが無数に描かれています。ふろしきを被せる面で違う使い方ができ、表面の赤色を上にしてかければ時間が逆行し、裏面の青色を上にしてかければ時間が進行します。
この法則が分かれば登場人物がふろしきを手にした段階で何を目的に使用するのか瞬時で分かり、よりストーリーに没入することができます。もしもそんな便利なふろしきが現代に存在していたら、多くの社会問題が解決することが可能です。
壊れたものを直して資源を節約したり、破壊された自然を元に戻すこともできます。埋め立てて処理する以外に方法が無いゴミであっても、一瞬で風化させて無き物にすることも可能です。
また、現代の医療で治療が困難な病気も、発症前に戻して健康な体を手に入れることができます。ドラえもんに登場するふろしきには、多くのファンを引き付けて止まない無限に広がる夢があります。